「生物多様性基本法案」を衆議院に提出いたしました。
私は昨年、『次の内閣』環境大臣として、環境政策3本柱を立ち上げました。
その一つが「生物多様性基本法案」です。
(参考)民主党環境政策3本柱の策定 2007年6月に作成
民主党環境政策3本柱をつくりました
民主党の総力を挙げて、環境戦略3本柱をつくりました。
私も、この3本柱をつくったことにより、民主党の環境大臣としての役割がある程度果たせたと思っています。
詳細は、私のホームページに載っておりますので、ぜひご覧下さい。
また、民主党と自民党の環境政策の違いをわかりやすく書いたビラもありますので、ぜひ、ご覧下さい。
1. 民主党「脱地球温暖化戦略」
今年のハイリゲンダム・サミットの最大課題は地球温暖化問題でしたが、来年の洞爺湖サミットの最大課題も地球温暖化問題だと言われています。そこを意識して、政府よりも早く(今年5月9日)、民主党の脱温暖化戦略を公表しました。政府が発表した温暖化対策よりも遙かに進んだ内容です。自民党の環境政策の弱点は、国内産業界が少しでも反対すると、指導力を発揮するどころか、対策が消極的になってしまうことです。これでは、「子供や孫に快適な環境を残す」という誇り高き我々現役世代の「未来に向けた責任」を果たしているとは言えません。民主党戦略の特徴は以下の通りです。
(1)全世界だけでなく、日本の温室ガス削減の中長期目標を設定
民主党は、全世界で2050年にCO2等の温室ガスの排出量を50%カットするという国際的な中長期目標(サミットでもほぼ合意)だけでなく、EU等と歩調をそろえ、2050年までに日本自身の排出量も50%カットすることを明言しました。自民党は国内産業界の圧力を受けて、日本自身の中長期的な排出目標を打ち出せませんでした。私たち民主党は、日本民族さらには全世界の脱温暖化阻止への覚悟を決め、国内産業界の新しい方向性を定める決意を示したのです。
(2)CO2排出権取引市場の創設
そのために、具体的には、EU、米国、豪州などで行われているCO2排出取引権市場を国内で3年以内に創設することを決めました。日本市場創設により、CO2排出権取引市場は世界市場ができることになります。この市場では、CO2排出削減のためにより努力した企業が儲かる仕組みになっています。既にEU産業界や、今まで消極的だった米国産業界もようやく腰を上げ、本格的な世界市場創設に動いています。既に国際的に大きな流れができているのです。しかし、自民党は、一部国内産業界から抵抗があるという理由で、消極的でありリーダーシップをとろうとさえしません。
(3)CO2「見える化」政策
安倍総理は国民に対し、「1人1日1kgを守るべし」と唐突にCO2削減目標を提唱しました。しかし、これだけでは、国民の皆さんから見ると、「CO2の1kgって、一体どのくらいの量なの?」と疑問です。私たち民主党は、日常生活のあらゆるところで、CO2排出量の「見える化」を実施することにしました。例えば、毎月の電気代の請求書(6月は20kgのCO2使用)やテレビなどの電化製品(この製品を作るのに、100kgのCO2使用)などに、使われたCO2排出量を明示するのです。また、株式市場の企業にも「うちの企業の年間CO2排出量は400トンで、去年より30%削減しました!」と有価証券報告書に書いてもらうのです。そうすれば、国民の皆様の頭にもCO2排出削減の実感が湧いてきます。ちなみに、政府・自民党は、これらのCO2排出量明示が国内産業界の反発を招くとして、導入に消極的です。
2.環境健康被害者救済基本法案をつくりました(被害者救済戦略)
環境健康被害とは、いわゆる公害病というもので、水俣病、イタイイタイ病、大気汚染、アスベスト疾病などです。
これら患者さんの多くは、病気になると、環境省が定めた病気認定基準のハードルがとても高いため、なかなか認定してもらえず、病苦に加えて生活苦に陥り、さらに、何十年と続く裁判闘争に疲れ切っておられます。
特に、水俣病については、最高裁で被害者たる原告が勝っても、環境省が判決に従おうとせず、大きな問題となっています。
「これらの患者さんが、何故早急に救済されてこなかったのか?」 これが私の大きな疑問である一方、乗り越えるべきハードルでした。これらを研究しているうちに、私は、2つの共通点に気づきました。
一つ目の共通点は、環境省という役所が「全てを仕切れる強大な立場にある」ということでした。つまり、環境省とは、@病気の認定基準を決めるという意味で、究極の認定決定者であり、A病気の補償を決める最終決定者であり、B唯一正統な権威を持って調査を行える者(ということは、唯一権威を持って、被害者と病気との因果関係や科学的知見を提供できる者)であり、C補償の予算を財務省に要求する唯一の者であり、同時に、D裁判の被告ともなり、E(「不作為」という罪で)加害者にもなりうる者です。つまり、どういうことか?通常、裁判では、(原告となる)被害者と病気との因果関係が争われます。その因果関係を立証しなければならないのは、被害者側(原告)なのです。たいていは、被害者が因果関係を立証できずに、裁判に負ける例がとても多いのです。因果関係は、どうやってわかるかというと、調査によって明らかになります。ということは、環境省という役所の側から見れば、病気認定基準のハードルを高く設定しておいて、調査を行わず、因果関係を不明にしておけば、裁判に負けることはないのです。因果関係が明らかにならないので、病気認定がなされないからです。そうすれば、補償をする必要もなければ、財務省に予算を要求する必要もなくなるのです。被害者の間で、時々「環境省は、被害者が死ぬのを待っているのではないか」と批判されるのは、このような背景があるからです。同様に、中央官庁が強大過ぎる立場にあるという構造は、公害病に限らず、原爆病訴訟やトンネルじん肺訴訟、薬害訴訟などでも共通だということがわかり始めました。この場合の中央官庁は、厚労省です。最近、原爆症関係で、被害者の原告が名古屋地裁で勝訴し、厚労省が負けるという判決が出ました。その時、厚労省はとんでもないコメントを出しました。「名古屋地裁の裁判長は、学界の通説を採っておらず、不当な判断だ」 これを読んだ私は、強い憤りを覚えました。「厚労省の立場だけが、学界の通説と言えるのか。厚労省のおごりだ!さもなくば、厚労省が、御用学者を通じて医学界を仕切っているだけだ」。
これらの問題点を解決するために、私は、新救済法で、一番の肝となる認定基準策定委員会を環境省や厚労省から引っぺがし、独立した委員会をつくることにしました。こうすれば、役所のオールマイティ構造を根本的に変えることができるのです。
もう一つの共通点は、ほとんど専門知識がなく病弱である被害者(原告)と、あまりにも強大過ぎる立場に立つ環境省とが、裁判で争っても、まず被害者(原告)が勝つ見込みはないという残酷な事実でした。
この問題点を解決するために、私は、国である環境省に対して、迅速な調査義務を課しました。さらに、あり得る裁判を想定して、被害者(原告)に対し、必要な専門家や医者を紹介する義務を環境省に課し、外国の医学事情を含めた最新の科学的知見を紹介する義務を環境省に課したのです。こうすれば、被害者(原告)の立場が相当強化されますし、被害者が裁判に勝ちやすくなるのです。さらに、環境省が何も行動や協力をしなかった場合は、「国の不作為」という法令違反が生じることになります。新救済法では、被害者と国の立場が、かなり対等になっています。
このようにして、民主党の新救済法では、被害者の方々が、より速やかに、かつ、ほとんどの方々が救済されることになります。この新救済法は、久々に私がゼロから関わってつくってきた議員立法ですが、多くの被害者の方々や民主党の仲間の皆さんの知恵と汗の結晶です。この場を借りてお礼申し上げます。
3. 生物多様性基本法をつくる(生物多様性戦略)
温暖化の進行とともに、ヒトと野生生物との共生社会を意識する必要が生じています。例えば、私が環境大臣として昨年初めて取り組んだクマ問題について言えば、ツキノワグマは、日本で約12,000頭いますが、昨年だけで約4,000頭が殺されました。このままでは、クマは日本から絶滅していくことになります。そろそろクマの生態を高度技術を使って把握し、科学的に適切に個体管理していくことが必要な時代に入ってきたと思います。イラク戦争では、米国が、赤外線などを通じて夜間でも正確にイラク兵の動向を把握できる技術を持っているようです。近々、クマの生態管理にも適用できることになるでしょう。そうすれば、クマの絶滅を防ぐと同時に、クマの人的被害や農作物被害の状況を大幅に改善できると思います。そのようなニーズをとらえながら、民主党として、@野生生物保護基本計画をつくる、A生物多様性の保全体制をつくる、B工事などをする場合、生物への影響評価を義務づける、C地元民やNPOなど多くの国民に参加してもらう、D生物多様性教育や啓蒙活動を行うことなどを内容とした生物多様性基本法を作ることにしました。また、民主党は、犬猫などの動物虐待救済にも力を入れています。
尚、民主党HPにも法案提出の様子が掲載されましたので、以下、ご紹介させていただきます。
2008/04/10
生物多様性基本法案を衆議院に提出
民主党では昨年の参議院選挙マニフェストにおいて、環境政策の3本柱の一つとして「生物多様性の保全」のための基本法制定を公約として提示、本年1月から1カ月間パブリックコメントを募集し、広く国民から聴取した意見も反映させながら法案策定を進めてきた経緯を説明した。
田島座長は、人間の経済的活動の拡大などによる自然環境の改変などによって、生態系の劣化及び生物多様性の減少が進行している危機的状況を明示。そのうえで、現行の自然保護法制では限界であるとして、整合性の取れた基本法が必要との観点から生物多様性対策小委員会を設置、法案制定に取り組んできたとした。
同法案は、人類存続の基盤である生物の多様性を将来にわたり確保するため、国、地方公共団体、事業者、国民の責務を明確にすることで保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するもの。これまでの生物多様性国家戦略を昇華させた国家基本計画(5カ年計画)を策定するとともに、その中で18項目にわたる基本的な施策を掲げ、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的としている。基本的な施策として、国の施策の策定等に当たっての配慮、立案段階の環境影響評価(SEA)の推進、民間団体等による自発的な活動の促進――等を盛り込んでいる。(民主党HPより)
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