
サミットは最近、開催国首脳の政治ショーに各国が同調してあげるケースが顕著になってきました。
今回の伊勢志摩サミットは、消費増税をやめる口実としてサミットを利用したい安倍総理が、現在の世界経済状況を「リーマン・ショック世界大不況の直前だ!」と主張したことに、サミット各首脳が「それは、やり過ぎではないか。そこまではついていけない」という感じを持ったようです。
世界のマスコミのコメントも、そのラインの論説が多くなってきています。
なお、派手さはありませんが、サミットで、パナマ文書で発覚した世界の大企業や超富豪層や政治家等の「租税回避地を経由した国際的税逃れ」の取り締まり合意がなされたことは、とても重要です!
なぜなら、これらの国際的税逃れは、報道によると、数百兆ドルから数千兆ドルにものぼるため、各国政府がジリ貧に陥り国民に対して増税路線(日本では消費増税)を強いてきたからです。
従って、これらの税逃れを初めて取り締まることが、「国民に対して増税をさせない」ことに直接つながることになるのです。
一方、オバマ大統領の広島訪問は評価しています。
米国としては、以前からの広島訪問プログラムの一環として、米国駐日大使や米国務長官の広島訪問を行ってきましたが、その総仕上げが、オバマ大統領の広島訪問だったのです。
オバマ大統領の17分間の広島でのスピーチ全文を読みましたが、人類と戦争の歴史を嘆きながら、巧みに米国の原爆投下責任には触れず、謝罪もありません。
しかし、オバマ大統領が名俳優だと感じたのは、オバマ大統領が被爆者代表を抱擁した下の写真です。
原爆資料館への立ち寄りが10分程度であっても、謝罪がなくても、この抱擁したシーンを繰り返しマスコミで報道するだけで、許せる感じになる人が多いでしょう。
「政治は、ときに役者を必要とする」のは、事実だと思いました。
