


「北朝鮮核ミサイル問題」
昨年12月特別国会での外務委員会での質疑から考える!
しっかりしたご報告が大変遅れて恐縮しますが、昨年の1ヵ月の特別国会の中で、1度だけ外務委員会において質問のチャンスがありました。
私は、テーマを「北朝鮮核ミサイル問題」に絞りました。
いまトランプ米国大統領や安倍政権が北朝鮮との対話を拒否し、圧力を極限まで高め、経済的に締め上げているところです。
この先のシナリオとしては、①北朝鮮が譲歩して核・ミサイル開発を止める、②北朝鮮が暴発する、③米国等が北朝鮮に先制攻撃をかける、④米国が北朝鮮を核保有国として正式に認めると言うシナリオが考えられます。
米朝両国の従来からの原則的立場から見ると、①と④のシナリオはどうも無さそうな感じがしています。
そうすると、②と③のシナリオが現実味を帯びてきます。
そこで問題となるのが、日本の対核ミサイル防衛力。それを検証してみました。
まず河野外務大臣に、最悪のシナリオ(核ミサイルの東京被弾や、原発テロ、一般テロ等など)の想定事態につき質問しましたが、全く答えませんでした。
次に7~8分間で東京に到達すると言われる北朝鮮核ミサイルの脅威への現実的対応として、我が国のミサイル迎撃能力を防衛省に質問しました。
防衛省は防衛ミサイル防衛能力については軍事機密だとして一切答えませんでした。
一方、イージス艦のSM 3ミサイルや陸上のパトリオットシステムでは高々度(2500km~4000km)で飛んでくる北朝鮮のミサイルにとどかない(軍事常識では、現時点での高度限界は500キロ程度)。またマッハ15~20で落下してくるミサイルを破壊することは至難の業と言われています。
この点については、山本防衛副大臣が「一般的に言って、高々度のミサイルの迎撃はさらに難しい」と淡々と答えたため、思わず「その答え方では(国民の懸念を払拭するには)無責任だ!」と言ってしまいました。
重要な点については、軍事機密との理由で国会という議会に全く答えることなく、さらに、将来の米国から購入予定のイージス・アショアなどの最新兵器でも有効に迎撃できない(これもまた軍事機密)となると、「気休めだけの高額購入」となってしまいます。
このように、必要な議会の議論も出来なくなってしまうのです。
(追補: 米国では昨年6月の失敗に続き、今年1月31日のハワイ沖での改良型SM3の迎撃実験にも失敗しました!日本が高額購入予定の改良型ミサイルですが、「本当に大丈夫か?」との懸念が渦巻きます)
またJアラートで、いくらミサイル飛来を警報しても、国民が逃げる時間も無ければ、逃げる場所やシェルターもないことを踏まえるとお寒い限りです。
そのことを前提に、安倍政権の今後の進め方を想定していくと、「米国による先制攻撃の可能性」がにわかにクローズアップされてきます。
ただ、北朝鮮の軍事オプションは、トランプ大統領の手の中にあります。
そのような東アジアの非常事態が来ないことを切に祈っていますが、国民の不安を払拭するか和らげるような出口戦略を示すことは、政治の最大の責任です。
「この出口戦略が不明で見えない」ということが、「安倍政権という最大のリスク」だと思います。
ここまで書くと暗くなるので、まあピョンチャン・オリンピックを通じて、北朝鮮の態度に変化が見られるようになることを淡く期待しておきます❣
逆に、こんな時期を通じて、「不安とともに、明るく強く生きる!」という、したたかな生き方を、日本人は学んで良いのかもしれません❣