安倍総理の緊急事態延長記者会見へのコメント
❶まず印象的なことは、緊急事態延長を国民に強いる立場の安倍総理の言葉に、真実味が感じられなかったのは私だけでしょうか。
❷「他人事」のような印象を受けた理由を私なりに考えました。
そうすると、「5月6日には緊急事態が終了することになっていた」ことを今回延長したことに対し、その根拠が極めて曖昧だということに突き当たりました。
つまり、出口戦略のターゲットが明確に示されなかったからです!
よって、延長することとなってしまった反省の弁もありませんでした。
安倍総理の口からは、単に、感染者数が200人に減少したことや実行再生産数が1を下回っているということを成果として全面的に強調し、これまでの封じ込め措置が成功したのだと自己正当化しただけです。
これでは、1ヵ月程度延長する明確な根拠がわかりません。
そのため、「5月14日に専門家会議で現状を再評価して緊急事態を解除するかもしれない」という更なる曖昧な言い方をしています。
これでは、国民として「もう1ヵ月気合を入れて頑張ろう!」と言う気にはなりません‐
❸さらに曖昧なことは、全国で緊急事態継続を宣言しておきながら、警戒を要する13都道府県以外の県については、それぞれの県独自の判断に任せるというような矛盾発言もしていたことです。
であるならば、残りの34県についてはそれぞれの県の事情によって、自由に緊急事態を解除できるのか?
この点については、国として明確な判断を与えていません。
34県が独自の判断で自由に緊急事態の実質解除を決定することができるならば、今回の安倍総理の会見は、「緊急事態の一部解除宣言」と捉えられることになります。
この点も非常に曖昧です!
❹また質疑応答で、PCR検査が実績として1日あたり7000件程度しかないことと、PCR検査の能力が15,000件あることのギャップについて問われると、曖昧な言い訳に終始。
さらに、発熱外来を全国でたった20カ所しか設置しないのに、その差を埋められるかのような、いい加減な言い方をしている点は、極めて無責任です。
❺さらに私が強い問題意識を持っていることですが、日本での観察研究や治験検査をぶっ飛ばして米国製治療薬のレムデシベルを特例承認する一方で、すでに3000人に観察研究・治験投与を行ってきた日本製のアビガンの承認については、「今月中を承認のメドとする」ような理不尽なやり方にも到底納得がいきません。
米国隷従や利権の匂いすら感じざるを得ません。