台湾独立事態の是非について(御批判に答える)
11/29の衆議院のTV入り予算委員会での質疑の際に、私が岸田総理に対して「日本として、台湾の独立は支持しない!」ということをはっきり言うべきだと指摘しました。
より正確に言えば、「現状変更となる『台湾独立宣言』を日本の安全保障の観点から支持しない」ということです。
*岸田総理の答弁
「台湾独立を支持しないとはっきり言えということでありますが、これは、外交上は、どういった言葉遣いをするか、どういった説明をするか、これは極めて大事であります。わが国として、1972年の日中共同声明から今日まで対応は一貫している、変わっていない、これを今申し上げた形で説明をしています。わが国の立場は、こうした説明の仕方を維持していくことが重要であると考えています」
後で何名かの方から、「末松義規は、中国の回し者ではないか」との御批判が寄せられました。(下記の例示の記事は理性的なご批判です)
台湾は、私にとって大好きな国の1つであり、また東日本大震災に際して、台湾国民の皆様が日本に対して世界最高額の救済募金をして頂いたことを決して忘れていません。
ただし、世間で騒がれている(想定されている)戦争を避け、東アジアの安定や、日本人の暮らしと日本国の安全を守ることを考えると、台湾独立という事態は、台湾有事という大きな安全保障上の懸念事態を引きだすきっかけとなりかねません。
この点については、台湾の蔡総統ご自身がおっしゃっておられるように、「台湾の独立を推進することは考えていない」ということですし、また、バイデン米国大統領も台湾の独立を支持するとはおっしゃっていないと思います。
これは、(基本的に一つの中国を承認した)日本が、最悪の戦争シナリオに巻き込まれないために取るべき必要な外交政策です。
日本の政治家として、中国の立場だけから述べているわけではなく、私自身、中国から頼まれたことも一度もありません。
予算委員会の時にも指摘しましたが、いわゆる台湾有事となると、最近の中国・ロシア急接近を踏まえれば、日米同盟と、中国・ロシア・北朝鮮の連合体との軍事衝突という由々しき最悪の事態も想定しておかねばなりません。
繰り返しになりますが、あくまでも日本人の暮らしと誇りを守り、日本の国土と安全を守る日本の政治家として、想定され得る最悪の戦争事態を避けるためには、当然のポリシーだと考えています。
11/14の台湾有事を題材にした日本外交政策学会のポリティコ・ミリタリー・ゲーム(有事を想定した政治シミュレーション)の議論において、日本の総理役を務めさせて頂きましたが、この認識はますます深まりました。