


⚫️財務省の国税審議会での議論の乏しさ
インボイス決定に関する国税審議会の議事録を2016年から全て読んでみましたが、ほとんど問題点について審議された形跡がほとんどないことがわかりました。
例えば、2022年の11月18日の国税審議会で、香取委員から、「ワイナリーが、非課税事業者の農業者からのぶどう購入を中止する可能性(取引排除の危険性)について懸念が示された」ことに対して、国税庁が問題をすり替えて、インボイス制度に関わる広報の徹底という説明に終始していました。
⚫️インボイス事務の膨大さ
資料にある「80項目に亘る消費税区分一覧表」(写真)を基にして、正確を期して厳格な区分をやると、その3倍ほどの区分が必要になるそうです。
私なんか、このような膨大な区分に従ってやるインボイス記入の膨大な作業を考えると、気分が悪くなってきそうです。
インボイスによる悪影響が及ぶ161万人の中小の免税事業者が、課税事業者を選ぶと、このような膨大な事務作業に追われることになります。
特に、顧客の関係で何百件となく、区分整理作業をさせられる税理士さんはたまったものではありませんし、それをチェックする税務署担当官もたまったものではありません。
⚫️効果のない救済支援策
一方、政府は、中小事業者のデジタル化支援策等を掲げたり、下請けGメンや公正取引委員会の相談窓口を紹介していますが、ほとんど救済には役に立ちません。
⚫️世界に冠たる日本のアニメ産業が、インボイス導入で崩壊していく危険性!
財務金融委員会でも度々引用してきましたが、アニメ業界や声優業界での収入調査を実施したところ、回答者の8割が年収300万円以下、20代30代の5割以上は100万円以下と全体として非常に厳しい状況にあることが浮き彫りとなりました。
同じ調査で「インボイス制度の」の悪影響について尋ねたところ、「廃業するかもしれない」と答えた人は約30%、そのうち20代が28%、30代が54%と廃業を考えているということで、80%に及ぶことが明らかとなりました。
若手の多くが廃業すれば、業界全体で培ってきた技術の継承が途絶えるだけでなく、国内のアニメ、制作システムそのものが崩壊することになります。
この悪影響は、世界に冠たる日本文化のオハコとも言えるアニメ・カルチャーだけでなく、報道やビジネスの領域にも広く波及するものです。
さらに、このようなアニメ業界等では、中国の資本による進出が際立っていて、中国による多数のアニメ関連企業の買収や、アニメや声優人材の高額給料による引き抜きにより、日本の文化の大きな柱であるアニメや関連フリーランス業界がインボイス制度によって潰されることになりかねません。
インボイスの導入により、日本文化の象徴であり、将来の有望な収益源となるアニメ産業を潰していくことは、これこそ本末転倒です!
むしろ、政府は、日本の代表的文化であるアニメ産業に対する必要な支援を大々的に行うべきです!
⚫️インボイス導入に当たって、新たな税金が投入されたり、電気料金負担を増大させるのは筋違い!
●インボイス負担に困惑するシルバー人材センター救済のために、厚労省が間に入って、約200億円の新たな税金によりカバーすると言っていますが、これこそ本末転倒ではないでしょうか!
インボイス導入を止めれば、そのような新たな税負担は不必要となるのです!
●経産省のFIT(再エネ固定価格買い取り)に対して、資源エネルギー庁による対応で、支払う負担が年間58億円との試算も言われていますが、これも電気料金の負担増によりカバーするというのも本末転倒です!
インボイス導入を止めれば、そのような新たな電気料金負担は不必要となるのです!